結論
- 雇用保険は失業時以外にも使い道がある
- 特に資格取得の補助は大きい
- わかりにくい点が多く全てを理解するのは難しい
- 自分の関係するところをサラッと知っておくのがおすすめ
雇用保険とは?
雇用保険とは社会保険制度の一つである労働保険に含まれます。
雇用保険は
- 仕事を失った時
- 続けられなくなった時
の備えになる保険です。
一般的によく知られている
- 失業給付金
- 教育訓練給付金
- 育児・介護休業給付金
- 雇用調整助成金
- 再就職手当
なども雇用保険で賄われています。
加入条件は?
下記の両方に当てはまる場合、加入が義務付けられます。
- 労働時間が週に20時間以上である
- 31日以上継続して雇用される見込みである
基本的には業種・規模に関係なく雇用される労働者は雇用保険の被保険者になります。
注意
昼間学生のアルバイトの場合は雇用保険法上の労働者として認められていないため加入できない。
ただし夜間学生の場合は一般の労働者と同じ扱いとなる。
保険料は?
雇用保険の保険料は労使折半です。
下記が事業主と労働者の負担割合となります。
令和3年度(2021年度)では、一般の事業であれば雇用保険料率は0.9%、労働者負担は0.3%と定められています。
保険給付の種類は?
雇用保険の給付にはたくさんの種類があるため今回は基本となる
基本手当
就職促進手当
教育訓練給付金
雇用継続給付
についてみていきたいと思います。
基本手当
定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探し、1日も早く再就職するための支給です。
一般的に「失業手当」と呼ばれるものがこれです。
期間
受給資格に係る離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などによって決定され、90日~360日の間でそれぞれ決められます。
支給額
原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した金額のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い方ほど高い率となっています。
ただし年齢区分ごとにその上限額が定められており、現在は次のとおりとなっています。
30歳未満 | 6,845円 |
---|---|
30歳以上45歳未満 | 7,605円 |
45歳以上60歳未満 | 8,370円 |
60歳以上65歳未満 | 7,186円 |
就職促進手当
雇用保険の失業等給付の就職促進給付のうち「就業促進手当」として、「再就職手当」、「就業促進定着手当」、「就業手当」などがあります。
再就職手当
再就職手当は、基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。
支給額
所定給付日数の支給残日数×給付率×基本手当日額( 一定の上限あり)
給付率
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は
・所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方は
・所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額
注意
基本手当日額の上限は、6,195円(60歳以上65歳未満は5,013円)となります。
(毎年8月1日以降に変更されることがあります。)
就業促進定着手当
就業促進定着手当は
再就職手当の支給を受けた人が引き続きその再就職先に6か月以上雇用されかつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金の1日分の額に比べて低下している
場合に受けることが出来ます。
支給額
(離職前の賃金日額-再就職手当の支給を受けた再就職の日から6か月間に支払われた賃金額の1日分の額)×再就職の日から6か月間内における賃金の支払いの基礎となった日数
ただし、次のとおり上限額があります。
上限額:基本手当日額×基本手当の支給残日数に相当する日数×40%
就業手当
就業手当は
基本手当の受給資格がある方が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件に該当する
場合に受け取ることが出来ます。
支給額
就業日×30%×基本手当日額(一定の上限あり)
教育訓練給付金
働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援してくれます。
- 教育訓練受講に支払った費用の一部を支給
専門実践教育訓練(※)を受講する45歳未満の離職者の方に対しては
- 基本手当が支給されない期間について受講に伴う諸経費の負担についても支援
一般教育訓練給付金について
支給対象者
- 受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)
- 受講開始日時点で被保険者でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)
- 前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していること
など、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給。
支給額
教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額となります。
ただし、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。
専門実践教育訓練給付金について
支給対象者
- 受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、2年以上)
- 受講開始日時点で被保険者でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)
- 前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過している
など、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給。
支給額
教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50%に相当する額となります。
ただし、その額が1年間で40万円を超える場合の支給額は40万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で120万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。
専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された方又はすでに雇用されている方に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給します。
特定一般教育訓練給付金について
支給対象者
- 受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)
- 受講開始日時点で被保険者でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)
- 前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過している
など、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給。
(支給額)
教育訓練施設に支払った教育訓練経費の40%に相当する額となります。
ただし、その額が20万円を超える場合は20万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。
教育訓練支援給付金について ※2022年3月31日までの時限措置となります。
支給対象者
初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する方で、受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たす方が、訓練期間中、失業状態にある場合に支給。
支給額
当該訓練受講中の基本手当の支給が受けられない期間について、基本手当の日額と同様に計算して得た額に80%の割合を乗じて得た額に、2か月ごとに失業の認定を受けた日数を乗じて得た額を支給します。
※ 平成29年12月31日以前に受講開始した専門実践教育訓練の教育訓練支援給付金の日額は、基本手当の日額と同様に計算して得た額に50%の割合を乗じて得た額になります。