仕事

残業について

結論

  • 休日労働とは法定休日に出勤した場合のこと
  • 36協定によって所定労働時間を超えた労働が可能に
  • 所定労働時間以上法定労働時間未満は割増賃金なし
  • 管理職ではなく管理監督者に残業代が出ない
  • 変形労働時間制で割増賃金を抑制

残業って?

仕事をしていると法定労働時間(法律で決められた労働時間)や所定労働時間(会社が決めた労働時間)を超えてしまうことは度々発生すると思います。

この超えた労働を「時間外労働」といいます。

これがいわゆる「残業」です。

そして時間外労働には

  • 法定労働時間を超えた「法定時間外労働」
  • 所定労働時間を超えた「所定時間外労働」

以上の2種類があります。

ちなみに、一般的に「所定労働時間」が「法定労働時間」を超えることはないため、時間外労働も「所定時間外労働」が「法定時間外労働」を超えることはありません。

休みの日に働いたら?

休みの日に働くことを「休日労働」ということがあると思います。

この「休日労働」は「時間外労働」と間違えやすいので、以下の表でまとめました。

休日労働法定休日(法律で決められた休日)
「1週間に1日、または4週間に4日」
に労働した場合
時間外労働所定休日(会社が決めた休日)に労働したが
法定休日は休めている場合

深夜労働って何時から?

一般的に深夜と呼ばれる時間は「みんなが普段寝ている時間」を指します。

法律上の深夜労働に当てはまる時間は

「夜10時から朝5時まで」

をいいます。

ただし「年少者」と呼ばれる18歳未満の深夜労働は禁止されています。

法律通りでは仕事が終わらない

以上のように法律で労働時間が決められているのはわかるが、全ての仕事が法定労働時間内で終わらせるのは現実的に厳しい…。

この訴えに法律側が歩み寄った結果「36協定」ができました。

36(サブロク)協定って?

労働基準法の第36条に記載されている内容で

会社と従業員代表が「時間外労働・休日労働に関する協定届」を労働基準監督署に提出することで「時間外労働をしても構わない」としたものです。

ただし上限なく時間外労働ができると言うわけではありません。

36協定で決める事項

①労働時間を延長し、または休日に労働させることができる場合
②労働時間を延長し、または休日に労働させることができる労働者の範囲
③対象期間(1年に限る)
④1年の起算日
⑤有効期限
⑥対象期間における1日、1ヶ月、1年について、労働時間を延長させて労働させることができる時間又は労働させることができる休日
⑦労働時間+休日労働の合計がつき「100時間未満」、「2〜6ヶ月平均80時間以内」を満たすこと

限度時間一覧

期間通常(右記以外)1年単位の変形労働時間制
1週間15時間14時間
2週間27時間25時間
4週間43時間40時間
1ヶ月45時間42時間
2ヶ月81時間75時間
3ヶ月120時間110時間
1年360時間320時間

特別条項付36協定

36協定には一時的な忙しさや突発的なトラブルに対応できるように「特別条項」と言うものが設定できるようになっています。

それによって

「1年のうち半分までは限度時間を超えて時間外労働をしてもかまわない」

とすることが可能になります。

特別条項をつけるために以下の6つの事項を決める必要があります。

①臨時的に限度時間を超えて働かせる必要がある場合での
・1ヶ月の時間外労働+休日労働の合計時間(100時間未満)
・1年の時間外労働時間数(720時間)
②限度時間を越えることができる回数(年6回以内)
③限度時間を超えて働かせることができる場合
④限度時間を超えて働かせる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置
⑤限度時間を超えた労働に対する割増賃金率
⑥限度時間を超えて働かせる場合の手続

更に、「特別な事情」は一時的、突発的なものに限られます。

認められる例としては下記のようなものとなります。

  • 予算・決算業務
  • ボーナス商戦に伴う繁忙
  • 納期の逼迫
  • 大規模クレームへの対応
  • 機械類のトラブルへの対応

割増賃金について

割増賃金がつくケース

  • 法定労働時間を超えた場合
  • 深夜労働をした場合
  • 休日出勤した場合

以上のケースがあります。

注意したいのが所定労働時間を超えても法定労働時間を超えていない場合です。

法定労働時間を超えるまでは、原則通常の時間給を支払うだけとなります。

いくら割増になるのか

これはそれぞれのケースによって異なります。

法定労働時間を超えた場合

〜45時間25%以上
45時間超〜60時間25%を超える率(努力義務)
60時間超50%以上

続いて休日労働と深夜労働の場合

休日労働35%以上
深夜労働25%以上

ちなみに重なった場合

休日労働かつ時間外労働:35%+25%以上=60%以上

深夜労働かつ時間外労働:25%+25%以上=50%以上

管理職は残業代が出ない?

これは「管理監督者」のことを指していると思われますが、ただ単に役職がある人は残業代がもらえないと言うわけではないです。

管理監督者かどうかの判断は4つのポイントがあります。

①経営方針の決定に権限があるなど、経営者と一体的な立場で仕事をしている
②出退勤の時間や勤務時間について、会社から厳格な規制を受けていない
③人事採用権がある
④一般の従業員と比較して、その職務・地位に相応しい給与が支払われている

変形労働時間制の場合は少し異なる

変形労働時間制とは

①1週間単位の変形労働時間制
②1ヶ月単位の変形労働時間制
③1年単位の変形労働時間制
④フレックスタイム制

以上の4つが挙げられます。

1週間単位の変形労働時間制

以下の条件をクリアすることで

「1週間40時間の範囲内で1日の勤務時間を最大10時間」

にすることができます。

・1日ごとに忙しさにばらつきのある従業員30人未満の以下の職種

小売業、旅館、料理店、飲食店

・労使協定を結んで労働基準監督署に提出する

ただし、手続きが煩雑なため導入している会社はあまり多くないようです。

1ヶ月単位の変形労働時間制

こちらは月末や月初は忙しいけど中旬は暇になるなど、1ヶ月の中で繁忙期と閑散期がある会社やシフト制を取っている会社に向いています。

こちらの場合

1ヶ月のうち1週間の平均労働時間が40時間超えていなければ割増賃金を支払う必要がなくなります。

こちらの場合も労使協定を結んで労働基準監督署に提出します。

1年単位の変形労働時間制

一定の期間内で閑散期に所定労働時間を短く・休日を多く、繁忙期に所定労働時間を長く・休日を少なくするなどして、期間中の所定労働時間を決めます。

その範囲内であれば割増賃金は発生しません。

1年のうちの特定の日・週・月・季節が忙しくなる会社向きです。

所定労働時間の上限の計算式は

40時間*暦日数÷7

労働時間の限度は

1日10時間、1週間52時間以内

こちらの場合も、勤務日・勤務時間を決めて年間カレンダーを作成し、労使協定を結び、労働基準監督署に提出します。

フレックスタイム制

1ヶ月の総労働時間をあらかじめ決めておいて、その時間内で従業員が自由に勤務開始と終了の時間を決めて働くことができる制度です。

あらかじめ決めた労働時間を超えた場合は割増賃金が発生します。

逆に足りなかった場合は、足りない分を給与カットしたり翌月余分に働くこともできます。

ちなみに、こちらを採用する場合は、この時間帯だけは働いてほしいと言う「コアタイム」を設けることで夜に出勤して朝まで働くと言うことが防止できます。

まとめ

様々な要因によって残業をする必要が出てきます。

その結果給料にどのように反映されるかを知っていないと会社にいいように使われてしまう可能性があります。

知っているか知らないかで人生の難易度は変わってきます。

今回の記事が皆さんの知識となって生活の質向上に役立てれば幸いです。

こちらの記事もおすすめ!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA