税金

出産と医療費控除

結論

  • 医療費控除は確定申告で行うことができる
  • 医療費は家族まとめて行うことができる
  • 高所得者がまとめて確定申告をこなった方がお得

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは、1年間でかかった医療費が一定以上になった場合、確定申告をすることでその一部を返してもらうことができる制度です。

対象期間

1月1日〜12月31日

対象金額

1年間に自己負担額が10万円を超える場合

申告期間

原則、翌年の2月16日〜3月15日

ただし新型コロナの影響で2020年、2021年は共に延長しています。

対象

治療のために使った費用であることが前提です。

その中でも対象外になるものがあるので少しまとめてみます。

対象対象外
妊娠と診断されてからの定期検診や検査
交通費(公共交通機関)
緊急時のタクシー代
入院中に病院で出た食事代
不妊治療費
交通費(ガソリン代)
入院中の差額ベッド代
実家でで出産するための実家に帰省する際の交通費
入院時に購入した寝巻きや洗面具
入院中の出前・外食代

いくら節税になるのか

では実際にいくらぐらい節税になるのか

計算式

まずは医療費控除額を求めます。

医療費控除額(上限200万円)=(1年間で支払った医療費)ー(保険金などで補填された金額)ー10万円

この式で求められた金額に下記の課税所得金額に応じた税率をかけることで節税額が求められます。

節税額=医療費控除額×税率

課税所得金額税率
195万円以下5%
195万円越え〜330万円以下10%
330万円越え〜695万円以下20%
695万円越え〜900万円以下23%
900万円越え〜1800万円以下33%
1800万円越え〜4000万円以下40%
4000万円越え45%

計算例

例えば

1年間で支払った医療費100万円、出産育児一時金42万円、課税所得600万円の場合

医療費控除=100万円ー42万円ー10万円=48万円

課税所得600万円の税率は20%ですので

節税額=48万円×20%=9.6万円

つまり確定申告をすることで96,000円返ってくるということです。

申請方法は

医療費控除を行うためには確定申告を行わなければなりません。

会社員の方が毎年やられている年末調整ではできないのです。

必要書類

  • 確定申告書AまたはB
  • 医療費控除の明細書
  • 医療費の領収書など(提出は不要だが5年保管)
  • 保険金などで補填された金額がわかるもの
  • 源泉徴収票
  • マイナンバー
  • 振込先口座

作成方法

申告書は税務署や役所などで手に入れることが可能です。

ただし手書きで行うのは計算が大変ですのでお勧めは

国税庁のホームページにある

「確定申告書等作成コーナー」

です。

ネット上で必要事項を入力していくと作成ができ、事前登録をしておけばオンラインで提出まで可能です。

提出方法

用紙に記入して税務署に提出

e-Tax(電子申告)を利用したオンライン送信

豆知識

医療費控除は5年さかのぼって申請できる

医療費控除だけでなく確定申告自体が5年分さかのぼって申告することができます。

もし過去の領収書が出てきたり、生命保険控除や扶養控除など忘れてしまっていた場合はしっかり申告し直しましょう。

医療費の総額には家族の分もまとめることができる

生計を同じくする家族のために支払った場合、全て合算することができます。

また、同居していなくても仕送りで生活をしている状況の場合も「生計を一にしている」こととなり合算が可能

共働きの場合税率の高い方が申告した方がお得

節税できる額は医療費控除額に税率をかけることで求めます。

つまり税率の高い高所得の方ほど返ってくるお金が大きくなります。

まとめ

出産にはいろいろは出費が重なります。

そのときにいちいち

これは控除対象、こっちは対象外

とするのはとても大変です。

レシートは全て捨てずにとっておいて1ヶ月に1度整理する。

自分にはこの方法が現実的かと思います。

また出産後にもいろいろお金は入必要になります。

返してもらえるお金は返してもらいましょう。

この記事が皆様の一助になれば幸いです。

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